営業全般

営業のやりがいってナンダ!?

先日、面白いニュースが見つけました。

営業職の2人に1人「目標未達成」 理由は「営業戦略が悪かった」「訪問数・商談数が少なかった」

今日はこのニュースに対して個人的な見解を書いてみます。

営業は自分のやりたい仕事なのだろうか

まず、最初のテーマである「営業職はやりたかった仕事か」について。

日本の営業実態調査2019 byアタックス・セールス・アソシエイツ社 より引用

グラフよりもともと営業職をやりたかった!という人が少数派であることが分かります。
かくいう私も新卒から現在まで営業一筋ですが、ずっと営業職に憧れていたり、営業をやりたかったのかというと決して違います。

上の記事の中に

営業職を選んだ理由を聞くと、1位は「やりがいがありそうだったから」(30.3%)。以降、「人と話すのが好きだから」(28.2%)、「成果や結果が目に見えやすいから」(20.6%)とポジティブな理由がランクインした。
しかし、4位「配属先・異動先だったから」(19.8%)、5位「未経験でもOKだったから」(17.4%)と消極的な回答が続く。同社はこの理由を「専門的なスキルや知識が乏しいなどの理由により営業職しか選べなかった人も一定数いることが考えられます」と推測する。
日本の営業実態調査2019 byアタックス・セールス・アソシエイツ社 より引用

という追加データがありますが、私も専門的なスキルは持ち合わせてないし、かといって「これがやりたい!」と言えるほどの道もなく、人と話すのは好きだったという理由で当時は営業職を選びました。

つまり(私の場合は)

大した理由はなく、就ける職種から営業職を選んだ

ということです。

こう書くと、
「営業は誰にでも務まる仕事じゃねーぞ!(怒)」
「お前みたいなスタンスの人を募集している会社は少ない!(怒)」
「営業とは尊い職種である!(怒)」
と怒られそうですね^^;

もちろん、今では営業とは特別な職種で、誰にも務まる仕事でないことは十分に理解してます。
ただ今でも「誰でもチャレンジできる職種、それが営業である」という考えについては変わっていません。

なので、個人的にはコレだ!と思えるやりたい仕事がない場合、

とりあえず出来そうだから営業職に就いてみよう

というのは全然OKだと考えてます。
営業とは意識次第で誰でもプロになれる仕事、それでいいのです。

営業の評価と営業スタイルをアップデートすべき

同じくこの記事の中に

評価制度に「不満がある」と回答した人は54.8%。不満の理由1位は「評価基準があいまい」(48.7%)で、2位は「上司の好き嫌いが評価に関わる」(38.4%)。目標の達成・未達成が明確な職種であるにも関わらず、結果に公平な評価がされていないと感じている人が多いようだ。

という記載があります。

評価制度への不満については私が顧客企業の現場に伺った際にも色々と耳にします。
不満の上位に挙がった内容は実際に(体感ですが)もっとも多いご相談内容です。

では何故、このような不満が発生するのかを考えていくと、

①営業スタイルと②評価制度が昔のままである

というのが総合して言えるのではないかという結論に(2019年現在では)至ります。

まず営業スタイルですが、こちらは過去の記事の中でも何度も書いている通り、web時代に適応できていない中小企業が多すぎる、というより8~9割は以前と変わらぬ営業スタイルを会社として掲げていると感じています。

web時代以前の営業とは、見込客発掘から受注まで、さらにはリピートオーダーを獲ってくることまでを担当営業パーソン1人で担うことです。

それに対して、web時代の営業とは
・見込客発掘にはマーケティング担当がいて
(正確には問合せを得るまでのマーケティング担当と、ニーズを顕在化させるインサイドセールスがいて)
・リアルな商談を担当する(フィールド)セールスがいて、
・顧客ロイヤリティを高め、アップセルやクロスセルを喚起させるカスタマーサクセスがいる
端的に言い表すならばこんな感じでしょう。

つまり今の時代は、顧客の購買行動を分割し、購買プロセス毎に専門家を立てるべきで、工程毎の営業専門性が求められる時代なのです。

サッカーを例に挙げると、サッカーでは当たり前の話ですがFW、MF、DF、GKと攻守の役割に応じたポジションが決められています。

FWが点を決めること、MFはFWの決定機を演出するパスを出せるようになること、DFは対峙した相手にシュートを打たせないこと、GKはシュートをストップすること、各ポジションによって磨くべきスキルは異なりますよね。

営業も今やサッカーのポジション定義と同様で、分業化時代なのです。

ところが上述した通り、中小企業においてはマーケもセールスも一緒くたです。

実際のところ、中小企業の場合、限られたリソース(主に人員)で回さなければならないので、分業体制を敷くことはなかなか難しいケースも多いはずです。

なので、上に挙げたweb時代の営業体制はあくまで理想像です。
分業化すべきだけど、余裕がないので難しい・・・・というなかなか結論が出しづらい話になってきました^^;

さて、ここで②の評価の話に入っていきましょう。
仮に営業体制を分業出来ていたならば、会社も社員も納得の評価基準を作ることは簡単になるはずです。

限られた営業プロセスの中では、重要視する指標や成果も自ずと限られるからです。

全工程を担当する前時代営業体制では、誰しもが納得する評価基準を策定することが難しいのは当然です。
評価者、一般的に上司や中小企業だと社長になりますが、この人たちの好みや志向によって評価基準が異なるので、上で引用したような不満が続出してしまうわけです。

営業体制は今のままで、、、という(分業化しない)場合、営業パーソン毎の適性に合わせた評価基準を作らなければなりません。

たとえば、新規見込客を見つけてくる人が得意な営業パーソンには見込客創出数を、
セールスが得意な人は成約件数を、
カスタマーサクセスが得意な人にはアップセル販売数や解約率を、
上記はあくまで結果にこだわった指標の一例ですが、得意な工程(プロセス)をまずは評価してあげなければなりません。

そして、得意工程とペアで(若干甘めに)不得意工程の目標を設定しましょう。

こうすることでリソースが不足している企業においては専門性を伸ばしながら、営業ジェネラリストを育てていくことが出来ます。

こちらもサッカーに例えるならば、FWも出来るしDFも出来るというプレイヤーを育てることを意味します。いわゆるユーティリティプレイヤー(≒ジェネラリスト)ってやつですね。

ベテラン営業ジェネラリストが育てば、彼・彼女に分業化を任せることが出来ます。
そう、ジェネラリストを育てることは未来のマネージャーを育てることになるのです。
※詳しくは後述します。

以上をまとめると中小企業においては、分業化を視野に入れておきながらジェネラリストを育成していった方が良いと言えるでしょう。
※もしくは短期的な不利益に目をつぶり、力技で分業化した方が自社の将来的な営業価値と営業社員満足度は高まるかもしれません。

【補足】営業パーソンはジェネラリストを目指せ

会社としての理想は上述の通り、営業の各プロセスの専門家を育てていくべきです。

一方、営業パーソン個人の視点で考えた場合には、得意領域を伸ばしつつ(作りつつ)、営業全プロセスの理解を深めていくべきです。

なぜなら営業マネージャーになるには全体最適を考えられる力が必要だからです。

イチ営業パーソンならば任されているプロセスのスペシャリストでOKですが、そのプロセスのマネージャーになったら前後工程を考慮したプロセス設計が求められます。

つまり自分の(チームの)営業プロセスのみの最大化よりも、営業全体として最大のアウトプットを出すための最適化を考える必要が出てくるのです。

極端な例をあげてみましょう。
皆さんがフィールドセールスチームのマネージャーを任されたとします。

フィールドセールスチームの最大成果を求めるだけであれば、商談の席で過剰なセールストークをして受注してもOKとなります。

たとえば
「弊社はご契約いただいた後、お客様に製品のメリットを感じていただけるまで、カスタマーサクセスチームが徹底的に、それこそ毎日サポートします!」

これなんかは後工程を無視した典型的なセールストークでしょう。

過剰なセールストークにより顧客の期待はグンっと高まり、カスタマーサクセスチームの負担も同様に増えます。

営業とは顧客の期待をコントロールすることがミッションです。
期待を大きくできれば当然のことながら購入してもらえる可能性も大きくなります。
ただ過度な期待を抱かせてしまうと、購入後の体感メリットが購入前の期待を下回り、不満足を生み出すことになり得ます。

顧客の期待の調整、標準化こそが営業マネージャーの役割です。

上の例で言うとカスタマーサクセスの負荷と実務内容に照らし合わせた営業トークを作らねばなりません。

このように営業マネージャーになるならば、担当プロセスのことだけでなく、営業全体はもとより、会社全体の最適化を考えられる必要があります。

よって日頃から自身の担当プロセス、得意工程の最大パフォーマンスや成長を追い求めつつ、前後プロセス、さらには営業以外への理解も深めていくようにしましょう。

営業に未来はあるのか

最後に話を記事の内容に戻します。

仕事自体は、45.9%が「これからも営業として働き続けたい」と回答している。
日本の営業実態調査2019 byアタックス・セールス・アソシエイツ社 より引用

私としてはこの数値は少し残念です・・・。

「評価制度に不満がある」が55%弱だったので、この人たちが働きなくない勢か、とも思ってしまいました。

営業は会社のノルマを達成する係でも、モノを売りつける職種でもありません。

営業とは

顧客が描く未来や目標に対して、顧客と一緒になって最善策や最適解を提示してあげる仕事

です。

商品を魅力的に説明することなどの販売スキルはもちろん重要ですが、それ以上に顧客の役に立つ、顧客がより良い選択をできるようにしてあげる、こういった志を持つことはそれ以上に重要です。

営業パーソンであれば悩みは尽きないはずですが、顧客を変えることが出来る唯一の職種としてプライドを持って、そして何よりも顧客との対話を楽しんでください!

以上、営業に喜びを感じ、営業を楽しむ人が1人でも増えてくれることを祈るしがないイチ営業パーソンより。

ABOUT ME
大川 直哉
大川 直哉
株式会社エクレアラボ 営業担当 営業支援システム(SFA)メーカーを2社経て、エクレアラボの創業に参画。10年以上のSFA提案や導入の中で1000社以上の営業現場に関与。 得意ジャンルは1000社の営業現場で見てきた営業手法やマーケティングの失敗談。 「失敗の仕方をレクチャーしたら、クライアントはその方法だけは絶対にやらないようになるから少しは成功確率が上がる」と考えている。 小さい頃は父親の経営していた会社に入ろうと考えていたが、自身が大学生の時、親の会社が倒産し、世の中は決してぬるくなく、思い通りにいかないことを痛感。それにもかかわらず未だに甘ったれでボンボン気質が抜けないというのが周囲の評価。 趣味はJリーグ観戦。