営業力を高める~個の営業力を高める編~

前回より「営業力UP」をテーマに書き始めました。

導入パートの前回、営業力をアップするには

(1)営業パーソン個々の営業力をアップ
(2)組織的な営業力アップ
(3)戦略的、経営視点的な営業力アップ

の3つに分類して、取り組んでいこうという話をしました。

今回は1の営業パーソン個々人の営業力アップの方法について書いてまいります。

営業パーソンに必要な能力を分解してみた

まずは営業パーソンに必要な能力を(MECE意識せず)徹底的に洗い出してみます。

アポ力(電話応対スキル)、初対面で心的距離を近づける力、傾聴力、課題把握力、商品チラ見せ興味喚起力、次回の提案機会確保力、分かりやすい提案書作成力、プレゼン力、クロージング力、適正見積作成力、行動量を確保するモチベーションアップ力、行動の質を改善する反省力、好印象力、目標達成に対する高い意識、自身の成長に対する飽くなき欲求、上司を巻き込む社内コミュ力、先々を見越して手を打つための時間管理力、営業ツール作成力、業界知識の吸収力、一般常識の最新アップデート力・・・・

3分で思いつくのがこんなところだったので、とりあえずここまで^^;

で、次にこれをまとめるとこんな感じに分けられるのかなと。

スキル - 準備スキル(問題解決力≒仮説力、分析力)、実践スキル(コミュ力、プレゼン力)
ナレッジ- 一般教養、ビジネス常識、業界・専門知識
マインド- 目標達成意識、成長欲求、改善意識

大きくこの3つのパートが営業力を構成しているとした場合、ではどうやって強化できるのか、強化していくべきなのかをパート毎に考えてみます。

営業力アップのための準備スキルの高め方・強化方法

営業スキルとは、準備スキルと実践スキルに分けられます。(分けられるとしましょう)

ではまず、準備スキルの高め方について。

準備は商談シチュエーション毎に異なりますよね。
・初めて会う見込客との面談、いわゆる初回訪問の場合
・見込客との2回目(以降)の商談、継続商談の場合
・商品やサービスを複数名に説明するプレゼンの場合
・取引先への定期訪問の場合
・年末年始の挨拶で訪問する場合
・代理店に拡販してもらうための訪問の場合 など
シチュエーションは様々です。

よって、準備スキルを高めるためにはまず、

自社においてはどのような商談シチュエーションがあるのか

を徹底的に洗い出すことが初手となるのではないでしょうか。

たとえば当社の場合ならこんな感じです。
初回訪問
2回目訪問(個別商談orプレゼンor契約書締結)
3回目以降訪問(個別商談orプレゼンor契約書締結)
取引先への定期訪問(サービスを活用できているかチェックする訪問)
クレーム対応のための訪問
パートナー(代理店)への拡販依頼訪問
訪問その他

おそらくどの企業であっても5~8個ほどの商談シチュエーションに分類できるはずです。

では分類できましたら、本題。
営業マンの準備スキルを高めるために、どうするべきか。それは・・・

商談シチュエーション別に準備すべきことを標準化する

です。

初回訪問を例にとって説明してみると、
・訪問先企業のホームページのチェック
・面談者のSNSチェック
・見込客のニーズを想定
・ニーズを絞り込むための質問を用意
・ニーズを深堀りするための質問および事例(営業ツール)の用意
・ニーズに対して想定される反論を処理するための営業ツールの用意
パッと思いついただけでも、これだけ出てきました。

で、このように準備すべきことを書き出して、どうするかというと・・・

商談前ミーティング

です。

商談前、遅くとも商談前日までに上司と部下で10~20分ほど、商談シチュエーションに応じて準備すべきことが出来ているかどうか、そして想定質問などのピントがズレていないかをリアルなミーティングでチェックすることを定例化するのです。

商談シチュエーション別の準備事項を明確にしておけば、それに従って準備するだけなので、営業パーソンの負担になることはありません。

なのでポイントは3つ。
・商談シチュエーション別の準備事項を社内で標準化しておく
・商談前ミーティングを営業ルールにする
・何回、何十回か商談前ミーティングを行い、毎回準備が万端な営業パーソンは商談前ミーティングを卒業できる
これだけです。

以上の手筈を整えるだけで、準備スキルを高め、営業力を強化することが図れます。

2018年12月追記

商談前ミーティング用の資料を作成しました。

画像のシートはコチラからダウンロードしていただけます。
※エクレアラボのwebサイトが開きます。

営業力アップのための実践スキルの高め方・強化方法

では続いて実践スキルです。

こちらはこれといった方法が特にありません。
が、体系化するならこんな感じでしょうか。

実践スキル = 経験に対する(自己フィードバック+他己フィードバック)

原則、実際の商談で得た経験値が実践スキルになると私は考えてます。
※「原則」と書いたのは商談ロールプレイングのような疑似実践で経験値を積むことが出来ることを考慮したため。

経験値というのは営業パーソンによって異なります。

高い経験値を獲得するためには、自己フィードバック他己フィードバックがポイントとなります。
自己フィードバックとは商談を客観的に振り返り、検証し、改善することを言います。
他己フィードバックは上司など実践スキルの高い人と同行し、他人に検証・改善を指摘してもらうことです。

個々の営業力とは結局のところ、仮説と検証で改善を繰り返し磨いていくしかありません。

細かいことを述べると、自己フィードバックするときには、自身の商談を客観視する際の引き出しを増やすことが求められます。
引き出し、というのは他者の経験から学ぶことです。
他者の経験とは、先輩社員に同行させてもらったり、本を読んだり、動画で学ぶこと、つまり学習が自己フィードバック力を高めるには有効なのです。

視野を広げるために積極的に学習することをオススメします。
幅広く、深い学習を重ねて自分に合った営業スタンス、スタイルを確立していくことを目指していきましょう。

また他己フィードバックについて、これは上司の指導力に依存します。
上司の指導方法については次回以降のパートでまた書いていきます。

営業力アップのためのナレッジの蓄積方法

ナレッジとは営業に必要な一般教養、ビジネス常識、業界知識のことです。
ナレッジを蓄積する方法はとてもシンプルで、学習あるのみです。

とはいえ、営業パーソンに「各自で都度、勉強しておくように!」と声をかけるだけでは、学習レベルにバラつきが生じることになります。

よって、ここもルールにします。

たとえば、
・隔週●曜日 9~10時は業界・他社・顧客動向の共有会議
・隔週□曜日 9~10時は持ち回りでビジネス社内研修
といった具合です。

ルール化することで、一定量の情報を全ての営業パーソンにインプットすることが出来ます。

ナレッジとはインプットしたものを効率的・効果的にアウトプットできるかどうかなので、インプット量がモノを言います。
なので、まずは一定以上のインプット量を確保することが可能なルールを作るのです。

営業力アップのためのマインド向上の方法

そして最後がマインド。冒頭の図でお気づきの方がいらっしゃるかと思いますが、マインドがスキルとナレッジを支えています。

というのも、マインドが高ければスキルは劇的に伸びていきます。なぜなら改善意欲、フィードバック力が高いから。

またナレッジも同様で、マインドが高い人はルールを設けずとも勝手に学びます。

よって世にいう「スーパー営業マン」「凄腕セールスレディ」などスーパーな営業パーソンというのはマインドが物凄く高い人のことだと私は思っています。

図にするとこんな感じ。

マインドが高いので、時間経過とあわせてマインドが普通の営業パーソンとは段違いのスキルとナレッジを獲得していきます。
その結果、営業成果でも大きな差を生んでいくわけです。

では、どうやってマインドは高めていくべきか。

私は、営業におけるマインドとはモチベーション×やりがいだと考えています。

モチベーションとは営業パーソンの仕事に懸ける想いの大きさです。

Aさん「将来、こんなことが仕事がしたい。だから今は営業パーソンとして頑張って、●●を身につけなければ」
Bさん「仕事とは日々の生活のため。だから特に将来的なことは考えていない」

AさんとBさんのモチベーション差はハッキリわかりますよね。

会社としてはAさんのような営業パーソンを増やしていきたい。
その場合、会社に明確なミッションやビジョンがあることが営業パーソンのモチベーションに起因します。

社長が「赤字にならなければいいや」という経営スタンスであれば、Bさんのような人が多数を占めてしまうはずです。

会社の未来予想図と営業パーソン個々人の描く未来が合致した時、営業パーソンのモチベーションが上がります。

次にやりがいです。
やりがいとは、会社のミッションやビジョンに対して、実際に行っている営業内容や提供しているサービス、商品の品質にギャップが少なければ、営業パーソンはやりがいを感じます

口だけのミッション(理念)やビジョンだとモチベーションは高いものの、やりがいを感じず、そのうちモチベーションが下がっていく、つまりマインドの低下を招きます。

マインドは本人の資質に依る部分が大きいことは事実ですが、ミッションやビジョン、そしてそれらと乖離の無い業務環境を作ることで、マインドを高くすることが可能です。
※マインド向上については営業組織力や戦略にも起因しますので、次回以降も触れてまいります。

営業パーソン各自の営業力アップまとめ

想像以上のボリュームになってしまいました^^;
なので、スキル、ナレッジ、マインドそれぞれもっと深堀りできる内容でしたが、今回はここまでとします。それぞれの深堀りについてはまたどこかで書いていければと思ってます。

次回は

組織的な営業力

について解説します。

ABOUTこの記事をかいた人

大川 直哉

株式会社エクレアラボ 営業担当 営業支援システム(SFA)メーカーを2社経て、エクレアラボの創業に参画。 システム販売だけでなく、ご依頼があればコンサルティングや研修講師を務めることも。 得意ジャンルは営業やマーケティングの失敗談。 「失敗の仕方をレクチャーしたら、クライアントはその方法だけは絶対にやらないようになるから少しは成功確率が上がる」と考えている。 学生時代は親の会社に入ろうと考えていたので、甘ったれな根性が染みついている。自身が大学生時代に親の会社が倒産し、世の中は決してぬるくなく、思い通りにいかないことを痛感。にもかかわらず甘ったれでボンボン気質が抜けないというのが周囲の評価。 趣味はJリーグ観戦。