カタログやチラシなど営業ツールの必要性
今日は私がエクレアラボでEcreaという商品を売り出す時に考えたことを書いてみます。
エクレアラボ以前に勤めていた会社では商品のカタログや、商品の説明手順がマニュアル化されていました。
そのため、営業しやすい環境を作ることについてはほとんど未経験でした。
Ecreaという商品が完成間近になって、
「営業ツール、どうしよう(泣)」
と当然のことながらテンパりました(笑)
「やっぱり印刷会社にお願いして立派な会社案内が必要かな?」
「お洒落なデザインで作った方がいいのかな?」
「商品カタログも分厚い用紙でパンフレットで準備した方がいいかな?」
などなどこれまでの常識にならって営業ツールを用意すべきかを検討しました。
結果・・・・
まともな印刷物は1つも作りませんでした^^;
パワーポイントで作成した商品紹介資料を家のプリンターで印刷するというパッと見は素人感、お金ない感プンプンの営業ツールで挑むことに決めたのです。(実際、お金はなかったですしw)
それでも商品販売開始の初月には3社、初年度は20社以上の契約を取ることが出来ました。
営業ツールの改善方法
この経験を通じて私が感じたことは、営業ツールは・・・
「見た目よりも中身」
「よって見た目に時間をかけるくらいなら中身をテストする」
ということです。
見た目がどんなに立派でも、中身が薄かったり、言いたいことが不明であれば当然のことながら、買ってもらえません。
商品やサービスが誇る本質的な価値(強みや同業他社との違い)を分かりやすく訴求することが出来ていれば、見た目がチンケな営業ツールでも熟読してもらえます。
しっかりした用紙でちゃんとデザイナーさんに制作してもらったカタログや会社案内があったならば、もしかしたらもっと契約が取れていたかもしれません。
ただパンフレット制作に時間がかかってしまうくらいなら、速く作ることの方が重要であると私は考えます。
このサイクルをとにかく何度も何度も何度も、速く速く速く回すのです。
外部の制作会社、印刷会社に発注していたら何度も速く修正することは出来ません。
修正を加えて、一定数の見込客から好反応が取れるようになってようやくプロに頼んでしっかりしたチラシ、パンフレットにしてもらうのです。
既存の営業ツールを疑う
また、既存≒会社が用意した営業ツールを(良い意味で)疑うことが大切です。
見込客のニーズ、課題は時代とともに変わってきているだけでなく、多様化してきています。
変化したニーズに合わせてツールを変えなければなりません。
そもそも商品カタログや会社案内などはWEBインフラが整っていなかった時代に適した商品・サービスの機能や会社の信頼性を説明するためのツールです。
WEBが当たり前になった今日においてはカタログなどパンフレットが最適ではないのかもしれません。
商品特性によっては、動画や動きのあるスライドの方が見込客にとって親切だと言えます。
会社に用意してあったから・・・
上司に教わったから・・・
同僚のみんなが使っているから・・・
これらは良い営業を実践する理由になりません。
たとえ上司から教えられた方法でも
「それは●●部長(上司)が営業マンだった時に通用したやり方で、今は時代が違うじゃん」
くらいに捉えた方がいいでしょう。
またマネージャーの方も同様に
「自分が営業マンだった時代に成功していた方法といえども、現代においては不正解かもしれない」
と考えて指導した方がいいでしょう。
このように今、お使いの営業ツールを捨ててみる、とまではいかなくても良い意味で疑ってみて、見込客のニーズと照らし合わせて細かく、頻度高くブラッシュアップされることをオススメします。
営業トークスクリプトの必要性
また、営業トークやプロセスにおいても同じことが言えます。
営業トークの改善やあるべき姿について考えてみましょう。
以前、勤めていた会社では
・テレアポマニュアル(トークスクリプト)
・初回訪問用マニュアル など
様々なシーンに応じた営業トークマニュアルが用意されていました。
このマニュアルにそった営業トークを実践することで、新人営業マンでもアポが取れて、訪問して面談することが出来れば、それなりの見込(案件)を創出することが可能でした。
ベテラン営業社員の役割はこのマニュアルを改善していくことでした。
1.新人、若手営業マンがマニュアルにそった営業活動を実践
2.結果に応じてベテラン営業社員、上司がマニュアルを改善
3.1に戻る
1~3を繰り返していけば、なかなか良さげな営業チームを作れそうですね。
アライアンスを組んでいた大手商社にもこのようなマニュアルがあると言っていたので、営業チームの底上げを図る上で良いアプローチであることは間違いなさそうです。
営業トークスクリプトは今も本当に必要か
けどしかしです。
マニュアルを使った営業指導というか訓練って今の営業スタイルにおいて重要なのでしょうか?
というのも、営業トークマニュアルに書かれていることは・・・
・お客さんが●●と言ったら〇〇
・伝えるべき商品メリット
・価格の提示の仕方
などが様々なシチュエーションに応じて書かれているわけです。
つまり
営業マンが見込客に商品を売りやすくするための勘所
ばかりが記載されています。
「えっ、それでいいのでは?」と思われる方がいらっしゃるでしょう。
確かに一般的なマニュアルとはそういうものです。
でも商品メリットとか価格提示の方法などは顧客の情報量が少ない時代のセールステクニックだと私は考えます。
今や、WEBやTwitterなどSNSを駆使すればかなりの情報を収集できるようになりました。
では、ちょっと視点を顧客ベースにしてみてください。
顧客が営業マンから知りたいことは・・・
・営業マンの商品を購入したらやりたいことができるか
・課題を解決することが出来るのか
・相場より高い買い物かどうか
など、自社(自分)に合った商品やサービスを適正価格で購入することが勘所となります。
営業マンは自社の商品を売りたい
一方で顧客は正しい選択(買い物)をしたい
こう見てみると、同じ商談というテーブル上で双方のゴールがズレていることが分かります。
よって、正しくは・・・
顧客は正しい選択をしたい
営業マンは顧客が正しい選択を出来るよう手助けする
になるのではないでしょうか。
そう考えると
・お客さんが●●と言ったら〇〇
・伝えるべき商品メリット
・価格の提示の仕方
これらはどうでもよくて、
・お客さんが何を目的として商談に望んでいるのか
・どんな商品メリットがあれば正しい買い物と言えるのか
・どれくらいの価格であれば適正だと判断するのか
といった顧客が買い物・商談を通じて目指している将来の姿を描くことが重要
で、営業トークマニュアルではなく、
「顧客の課題把握マニュアル」
が営業マンには必要なツールとなります。
以上の話をまとめると、
トークマニュアルは情報弱者のための営業戦術であって、情報を取得しやすくなった今日においてはトークマニュアルよりも顧客が求める真の価値(≒適切な課題解決策)を追求するHowToの重要性が増している
ということですね。
見込客が抱える様々な課題を想定し、課題を把握するためのトーク、課題に応じた解決策、解決イメージを提案し共感してもらうストーリー、これらを形式知(マニュアル)にしましょう。
そして、過去の成功体験に囚われず、顧客ニーズや時代(外部環境)に合わせて、課題把握と解決策提示マニュアルをチューニングすることが営業マネージャーの仕事と言えます。