株式会社ラインズマンに営業インタビューしてきた
株式会社ラインズマンの代表取締役 門傳 義文さんに不動産賃貸の営業および同社の営業手法についてインタビューさせていただきました。
会社名 | 株式会社ラインズマン |
設立 | 2013年4月 |
所在地 | 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場3丁目16-2-101 |
WEB | https://www.kurachic.jp/ |
事業内容 | 総合不動産サービス 不動産に関する売買仲介、賃貸仲介・賃貸管理・プロパティマネジメント リフォーム・リノベーション 不動産コンサルティング インターネットメディア |
ラインズマンの主な業務(不動産業の仕事とは)
不動産業とは不動産の売買、交換、賃貸、管理及び、売買・交換・賃貸の代理もしくは仲介を行う会社のことを指します。
不動産売買、不動産賃貸、不動産管理ではそれぞれターゲットとなる顧客が異なります。
不動産売買であれば、結婚したり、子供を授かった夫婦がメインターゲットです。(もちろんそれ以外もありえますが)
賃貸では大学や仕事で上京してきた人や、売買と同じく家族が出来た人、仕事の都合で住まいを変えなくてはならない方など様々です。
一方で不動産管理は上記2つとは異なり、物件を持つ方、いわゆる大家さんがターゲットとなります。
ラインズマンでは、ご依頼いただければどの仕事も対応しています。
ただ会社として能動的に狙っているターゲットは賃貸と管理の分野ですね。
不動産賃貸の仕事の流れ
不動産賃貸の仲介部分の流れを図にしました。
お客様が家を借りようと、不動産賃貸会社に行ったとします。
不動産賃貸会社というのは、よく見かける街の不動産屋です。ガラス張りの店舗に物件情報が沢山張り出されている、あれです。不動産賃貸会社は客付け仲介とも言われ、端的に言えば、物件を借りたいお客様を集客し、適切な物件を紹介する係です。
お客様が気に入った物件を見つけることができたら、不動産賃貸会社はその物件を管理している不動産管理会社に物件照会を行います。まだ空いているのかといった基本的なことから専門的なことまで確認をとります。
不動産管理会社は大家から預かっている空室を埋めるための客付けサポート(広告を出す等)、集金代行、退去時のクリーニングなどといったことをします。さらに、上で述べた通り、お客様を発掘した不動産賃貸会社と物件に関するやり取りも代行して行います。
そしてお金の流れについては図の①②の矢印をご覧ください。
①については不動産賃貸会社がお客様の希望に応じた物件を紹介し、契約の際に発生した大家・不動産管理会社とのやり取りの手間賃と言えるものです。
②は大家と不動産管理会社間での契約に基づいて支払われるフィーです。不動産管理会社が空室を埋める集客努力をすることで、大家には家賃収入が入ってきます。家賃収入を得るための代行報酬といったところでしょうか。
このように住まいを借りていただくことで各不動産会社に売上が発生するのです。
不動産賃貸の営業の必要性は?
つまり物件という商品力が最重要で、他の業界で問われているような営業力は必要ないのではないかと考えていますが、 門傳社長はどのようにお考えでしょうか?
不動産管理会社が抱えている物件情報は、業界内の専門データベース上で共有されていて、どの不動産賃貸会社でも参照することが出来ます。(不動産管理会社がオープンにしていない物件もあります)
お客様が来店されて、ご希望の物件内容を伺ったら、このデータベースに検索をかけて候補物件を絞り込みます。
つまり、どの不動産賃貸会社も(たいていは)同じ物件が出てくるわけです。
となると、大川さんが仰る通り商品力では差別化が図れません。
ではどうするべきかというと、住まいのプロとしてお客様のご希望を鵜呑みにせず、提案することが必要だと私は考えています。
家を借りるという行動は20代の人であれば多くて人生において3~4回、30代の人でも4~5回です。たいていの方が初めて~3回くらいです。ということは、正しい不動産を見抜くための経験の絶対数が少ないことを意味します。
経験、ノウハウが少ない彼ら・彼女たちに代わって、不動産賃貸会社で働く私たちがプロしてアドバイスしてあげることが必要なのです。
たとえばアラサーの夫婦が家探しに来たとします。希望物件は都内で1DKもしくは1LDKだと仰います。
そんな時、私は一歩踏み込んでヒアリングを行います。
「今後、ご家族が増える予定はありますか?」
「今後、マイホームをご購入されるご予定ですか?」などなど
こういったヒアリングを重ねれば、お客様にとって最適な物件条件がもう少し絞り込めます。それはつまり、より良い暮らしを提供してあげられることに繋がっているのです。
不動産賃貸会社の悪しき営業習慣
不動産管理会社が不動産賃貸会社向けに公開している(客付けを望んでいる)物件の中には「AD(広告)付き物件」というものがあります。
物件データベースの中に
「AD50%」「AD100%」「広告料100%」
などといった注意書きが不動産賃貸会社向けに書かれてあって、この場合、仲介手数料に加えて不動産管理会社から客付けした不動産賃貸会社に記載された広告料(AD)が支払われます。
▼ADなし物件
▼AD付き物件あり
※上の写真は不動産賃貸会社内部向けの資料です。
お客様に提出する際には、「客付会社さまへ」の欄が非表示になっています。
ADなし物件の場合、不動産賃貸会社の収益は仲介手数料のみです。
ところが、たとえば家賃8万円(仲介手数料8万円)の物件があって、上図のような「広告の料金に相当する額 賃料の1ヶ月」だったとしましょう。お客様がこの物件と契約した場合・・・
8万円(仲介手数料)+8万円(広告料=家賃8万円)
=16万円
これが不動産賃貸会社の収益になるわけです。
AD付き物件で成約できれば、顧客単価が大きく跳ね上がります。なので、インセンティブ営業を敷いている不動産賃貸会社が多いのでしょう。
しかし、お客様にとってはインセンティブに飢えた営業マンに当たってしまった場合、AD付き物件しか紹介されてないことがあり得ます。本来ならばADなしの好物件があったかもしれません。あくまでも個人的な見解に過ぎませんが、AD付き物件によりお客様が不利益を被っていることケースは少なくないでしょう。
※AD付き物件について、詳しくはラインズマンにて運営されている暮らしっく不動産の「仲介手数料無料でもやっていける不動産屋の仕組み」こちらの記事をご覧ください。
ラインズマンと他の不動産賃貸会社の違い
お客様の物件に対する希望条件を鵜呑みにしないことについては既に述べた通りです。
弊社の営業スタンスとしては、お客様の希望条件を伺って、理解を深めるためにヒアリングを行い、提案します。繰り返し提案していく中で「あーでもない、こうでもない。あっ、本当の希望(ニーズ)ってこうだったんだ!」といった具合に、お客様と弊社で新たなニーズを創造するイメージで顧客対応に臨んでいます。
また、AD付き物件を弊社では提案していません。
広告料を不動産賃貸会社がもらえるということは、お客様が何かしらの不利益を被る可能性がありますので。
このようなことから、ピンポイントでこの物件に住みたい!というニーズをお持ちの方よりも、新たな住まいを探すことに少なからず悩みや不安を抱えていたり、不動産取引に疑問を持っている方のほうが弊社はお役に立てると思います。
物件情報が載っていないポータルサイト
暮らしっく不動産では不動産取引における注意点をまとめています。
おかげさまで月に20~30万くらいの人が見に来てくださっています。
TV東京さんから取材していただくなどメディアの方にもご覧いただけているようです。
※メディア掲載情報についてはコチラ(暮らしっく不動産のWEBサイトが開きます)をご覧ください。
最近だと
「退去の費用 損をしないために知っておきたい8つの事」
この記事からお問い合わせいただくことが多く、家探し以外にも不動産に様々なお悩みを抱えている方が少なくないですね。
WEBを通じて、そういったお悩みや不安を持つ方のお役に立てればと思っています。
また、本当にお役に立てるような記事を書き溜めていくことが結果として(上述した通り)WEBマーケティングに活きてきています。
今では、月間20~30万くらいのサイト訪問者の中から月間50件ほどの個別お問い合わせをいただくマーケティングモデルが構築できました。
不動産賃貸会社というと皆さんも街の不動産屋を思い浮かべると思います。
また家を借りようというアンテナが立ったら、不動産屋の店舗に張り出されている物件情報を眺めることでしょう。そしてフラフラと店舗に入って相談する。
これが少し前の不動産賃貸会社のマーケティングであり、集客導線です。
現代においては店舗マーケに加えて、SUUMOやHOME’Sに物件情報を広告として掲載するのが一般的な不動産賃貸会社のマーケティングでしょう。
ポータルサイトをよく見てみると、物件情報の下の方に「この物件を取り扱っている会社が●件あります」と書いてあります。これは広告を出している客付け会社の数です。
このようにポータルサイトを入り口に物件ありきのWEBマーケティングが一般的で、それゆえに競争が激化しています。ラインズマンでも広告を出稿してお客様を集客することを考えましたが、そうなると将来的にAD付き物件を取り扱ったりしなければ元が取れなくなるかも・・・と考えて、自社で媒体を設け、コンテンツマーケティングを実施するようにしました。
門傳社長、ありがとうございました!
ラインズマン、そしてラインズマンが運営する暮らしっく不動産について、詳しくは下記サイトをご覧ください。