ダメな営業活動分析
今日はある企業で営業活動分析した例をお伝えします。
販売管理システムという請求書発行や売上管理のシステムを販売しているソフトウェア会社にて営業マンの活動分析を3ヶ月にわたって行いました。
すると次のようなデータが出てきました。
新規対応数 | 受注数 | 進行中 | |
A君 | 20件 | 5件 | 2件 |
Bさん | 20件 | 10件 | 4件 |
C君 | 20件 | 3件 | 14件 |
Dさん | 20件 | 3件 | 12件 |
※新規対応数=新規顧客との初めての商談件数
※進行中=商談進行中。A君で言えば受注が5件で、進行中は2件、つまり残りの13件は失注だったことを意味してます。
こう見てみると、Bさんがダントツの数字を示しています。
受注率を挿入してみると明らかです。
新規対応数 | 受注数 | 受注率 | |
A君 | 20件 | 5件 | 25% |
Bさん | 20件 | 10件 | 50% |
C君 | 20件 | 3件 | 15% |
Dさん | 20件 | 3件 | 15% |
ところがもう一歩、踏み込んでみたところ意外なことが分かりました。
顧客タイプ別に営業活動を分析する
新規対応 | 受注数 | 進行中 | ||
A君 | 社長 | 5件 | 3件 | 0件 |
社長以外 | 15件 | 2件 | 2件 | |
Bさん | 社長 | 5件 | 2件 | 1件 |
社長以外 | 15件 | 8件 | 3件 | |
C君 | 社長 | 5件 | 1件 | 3件 |
社長以外 | 15件 | 2件 | 11件 | |
Dさん | 社長 | 5件 | 3件 | 2件 |
社長以外 | 15件 | 0件 | 10件 |
※「社長」というのは新規対応した商談の面談者が社長(含む決定権者)であることを意味してます。
※本当はもう少し細かく横軸を設定しましたが、メール(文章)の都合上、多少デフォルメしてます。
こう見てみると、対社長の商談においてはA君とDさんの方がBさんより優れており、Dさんに関しては進行中のものまで含めると5/5と社長案件の失注率0%という驚くべき数字が分かりました。
上記のデータからこの会社では次のような施策を行いました。
・担当者商談はBさんとC君に割り振る
・社長商談はA君とDさんに割り振る
・C君の商談には2回目以降の商談で上司およびBさんが同行する
すると、全体の受注数が増えました。
要因として
・A君、Dさんが社長面談をキッチリ決めきってきたこと
・Bさんが担当者商談をこれまで通り高い確率で獲ってきたこと
・C君の進行中の商談を上司(とBさん)が決着させたこと
という施策が見事にハマった結果でした。
営業マンは、どうしても商談プロセス別成功率と成果だけで評価されがちです。
しかし営業活動って「ヒトとヒト」のコミュニケーションなので、繊細なものなのです。
極端な話、もしかしたら雨が降った日はAさんの商談成功率は低い、といったデータがあるかもしれません。
いやいや流石にそんなデータまではいらないでしょ、、、という声が聞こえてきそうですが、雨の話は冗談だとしても、顧客データを徹底的に洗い出し、それに営業マンの商談プロセス別成功率を掛け合わせれば、売上アップの素材が見つかることは間違いありません。
是非、お試しください。
今日の話をまとめたExcelの表がありますので、必要の方はお問合せください。
ちなみに僕自身のデータ分析を最後に紹介しますと・・・
僕は買う決断(クロージング)が苦手、というか出来ない、というかやる必要がないと思っている営業マンなので商談期間は長く、受注率は割と高め、社長商談が得意というデータでした^^;