営業テクニック

中小企業・スタートアップの新規開拓営業

新規顧客開拓、新規取引先開拓、口座開設などなど呼び方は色々ありますが、私は総称して「新規開拓」と呼んでいます。
今日は私がこれまで実際に試してみて「これは成果に繋がらない」「効果が低い」と感じた失敗営業手法を一挙公開しますw

目次

新規開拓失敗談その1 テレアポ

もう10年も前になりますが、私が新卒として入社した会社(コンサルとシステムの販売会社)でのことです。
その会社では大きく2つの見込客を創出する手を打っていました。
1つがリスティングをはじめとした各種広告からの問合せ、いわゆるインバウンドってやつですね。
2つ目はテレアポ、飛び込みというアウトバウンド。

で、新人ペーペー、製品とサービスのこともよくわかっていない私はアウトバウンド営業部隊に配置されるわけです。

アウトバウンド営業部隊では主にテレアポでアポとってニーズを喚起して受注・契約を獲得するという流れなのですが、これがまぁキツい。
テレアポ対象には過去に一度、商談したことがあるターゲット顧客(俗にいう掘り起こし)とド新規の顧客リストがあり、自由に選べます。

一見、掘り起こしの方が簡単に受注までいけそうな気がしますが、実は落とし穴があります。
それは・・・この掘り起こしリストに対しては毎年入社してくる新卒が死ぬほど電話しまくってるのです。
なので電話してみると「この前(大体半年から1年くらい前)、まだまだ検討しないって言ったじゃん」と言われてしまうことが多々ありました。

以上よりド新規の顧客リストへのテレアポの方が効果が高いんじゃね?と思って、会社名と住所と電話番号が書いてあるExcelのリストをもらって、かたっぱしから電話するわけなのですが、これがまたキツいのです。

社長宛に電話するのですが、まず受付から繋いでもらえない。
社長につないでもらえても、メンタルの弱い私は社長登場というレアイベントの重圧でドモってしまい、アポが取れない。
こんな悪循環を繰り返していました。

メンタルブレイクしないように、こんな感じの新規開拓用のテレアポスクリプトを作って、半機械的に1日100~200件のテレアポを半年くらい続けたところでギブしました。
当時、データを取っていましたが確かアポ率は0.2%とかだったと記憶しています。

効率面と精神衛生上、イマイチなのがテレアポです。

あと、テレアポなど難易度が高いものほどベテランにやらせた方が良いでしょう。このあたりについてはまた別の機会に当ブログで書きたいと思います。

新規開拓失敗談その2 異業種交流会

異業種交流会には4、5回参加しました。

結論から言うと、営業としての効果はほとんど見込ないと言っていいでしょう。
冷静に考えずに参加した私が悪いのですが、異業種交流会には・・・

仕事くれくれ君(ちゃん)

ばかりです。

私と一緒で短期的な受注や契約が欲しくて、尚且つ手っ取り早く見込先を見つけられることを目的とした営業マインドを持っている人達ばかりが集まることが多いのです。
なので名刺交換するだけで、発展的なことはほとんどありませんでした。

が、気づいたことは2つありました。

(1)自己紹介のほんの数秒で興味喚起させている営業マンがいる
(2)取引先や何度も会っている見込先と本音で語り合えるようなコミュニケーション力が自分には必要である

それぞれ少しだけ補足すると
(1)について
異業種交流会の参加者は自分を含む多数が「仕事が欲しい」と思っている人、つまり他人の売り込みには興味がない人です。
しかし自己紹介で興味がない私に、魅力的なキャッチフレーズと煮えたぎっているかのような熱量で興味を持たせるのです。
エレベータートークとはよく言ったもので、たとえ異業種交流会に出るわけでなくとも、営業マンはこの2つを日頃から考え、パターンを作っておく必要があることを痛感させられました。

(2)について
私は取引先とも元来はビジネスライクな接し方ばかりでした。
飲みにいくことなんてもってのほかで、携帯の番号すら伝えることは稀でした。

しかし異業種交流会に出てみて気づきました。取引先にも心を開いていない私が、初対面の人の心を開けるはずがない、向こうも心を開いてくれるわけがないと。。

以来、取引先はもちろん、何度か会った人とはSNSを交換するなど半ビジネス半プライベートなアプローチをするようになり、距離感を縮める努力をするようにしています。
いまだ飲み会はパスしがちですが(^^;

何にせよ(1)(2)は異業種交流会で得た営業マンに必要なコミュニケーションスキルです。

人間的なアプローチが必要ないなら、皆、WEBから契約するはずです。
WEBだけでは完結しないから営業マンが存在し、営業マンの役割は「信頼の構築」であることを改めて異業種交流会で学びました。

少し話が逸れましたが、勉強はさせてもらったものの異業種交流会からは成果を得ることは望みにくいということには変わりません。

新規開拓失敗談その3 主催セミナー

あらかじめ申し上げておくと、主催セミナーが成功するか否かは取り扱う製品やサービスの特性、そして会社規模次第で異なると思います。

主催セミナーとは自社(自分)でセミナーを企画、セミナーでニーズを喚起し、見込客を創出する方法です。

中小企業がセミナーを主催しようとすると、まず集客がネックになります。
そして集客というのはこれまであげた1や2とは全く違うスキルが求められます。

WEB広告やメルマガ広告、FAXを含むDMを駆使しなければなりません。お金も広告作成技術も必要になります。

よって企画と集客にかなりの時間を割いて、徒労に終わることが少なくありません。

また、いざセミナーで講演をするフェーズでは顧客の興味を喚起させ行動させるというセミナーコンテンツを作らなければ成果に繋がりません。

このように主催セミナーで見込客を創出するには、セミナー企画運営にそれなりの時間を割けるようになってから・・・をオススメします。

私の体験談をもととした文章構成にしてしまったために要旨が読み取りづらいかもしれませんが、「この新規開拓方法は失敗するベスト3」はテレアポ、異業種交流会、主催セミナーです。
もし、ちょうどこれから3つのうちのいずれかを試してみるつもりだった・・・という企業、営業マンの方は成功イメージをしっかりと練った上でお試しください。

ABOUT ME
大川 直哉
株式会社エクレアラボ 営業担当 営業支援システム(SFA)メーカーを2社経て、エクレアラボの創業に参画。10年以上のSFA提案や導入の中で300社以上の営業現場に関与。 得意ジャンルは営業手法やマーケティングの失敗談。 「失敗の仕方をレクチャーしたら、クライアントはその方法だけは絶対にやらないようになるから少しは成功確率が上がる」と考えているから。 小さい頃は父親の経営していた会社に入ろうと考えていたが、自身が大学生の時、親の会社が倒産し、世の中は決してぬるくなく、思い通りにいかないことを痛感。それにもかかわらず未だに甘ったれでボンボン気質が抜けないというのが周囲の評価。 趣味はJリーグ観戦。