顧客の期待とは
顧客はなぜ、営業パーソンの商談に応じるのでしょうか。
営業パーソンがあまりにもしつこいから?
いえいえ、
営業パーソンに何かを期待しているから
です。
・自分(顧客)が今、直面している課題を解決してくれるかも
・同業他社の取り組みを教えてくれるかも
・最先端のソリューションを提供してくれるかも
・今よりも大幅なコストダウンのアイデアを提案してくれるかも
などなど「○○してくれるかも」という期待を持ってるからこそ私たち営業パーソンに会ってくれるのです。
で、今日のテーマにおける最重要ポイントとも言えるのが、
ほとんどの顧客は営業パーソンに対して無意識に期待をしてる
という点です。
それゆえに営業は難しいのです。
「?」という方もいらっしゃると思いますので、もう少し顧客の期待について解説してまいります。
顧客の期待の種類
顧客の期待は大きくは2つに分類できます。
それはニーズの大きさとコストです。
パッと見た感じ「何を当たり前のことを偉そうに・・・」と感じだと思われた方がいるかと思います。
コストとは皆さんご存じのとおり、購買コストのことです。(厳密にはデリバリーコストや定着コストなどもあります)
より高次元なニーズを、低コストで満たすこと、これこそが期待なのです。
今日はこのニーズについてもう少し噛み砕いて説明を補足していきます。
顧客のニーズを細分化
顧客のニーズとは、いや正確にはニーズの大きさとは
商品・サービスの本質的価値 × 個別対応価値 × 先取り的価値
によって決まります。
1つずつ説明していきます。
商品・サービスの本質的価値とは
商品・サービスの本質的価値とは皆さんの「会社の商品やサービスを通じて、顧客の課題をどれほど解決できるか」のことを指します。
たとえば我が家では今、ドラム式洗濯機が欲しいのですが(笑)、この場合は
・洗浄力が高い
・乾燥機能がついている
・サイズがコンパクトである
・信頼できる会社である
これがドラム式洗濯機に求めている本質的価値です。
ニーズの大きさの8~9割は本質的価値により決定されます。
端的に言えば必要としている機能があるかどうかですね。
個別対応価値とは
次に個別対応価値についてです。
営業パーソンの提案、対応スピードの早さ、対応の正確さ(きめ細やかさ)が個別対応価値にあたります。
顧客の現状・実情・悩み・お困りごとに則した提案を行うこと
顧客の求めるスピードでのレスポンス
顧客の求める精度での対応
このような顧客に合わせた個別対応がニーズの中には含まれているのです。
上のドラム式洗濯機でいうと、まず要望に応じたドラム式洗濯機を薦めた上で、我が家の洗濯事情をヒアリングを行い、「それならドラム式ならば●●が良いですね、もしくはドラム式ではなく大容量の選択が可能な縦型洗濯機の方がもしかしたら洗濯効率面を考えるとアリかもしれません」と提案を行うことが個別対応価値となります。
先取り的価値とは
先取り的価値は前提として顧客と営業パーソン、もしくは会社が一定の信頼関係を構築できていることが条件になります。
よって新規顧客(案件)獲得型のセールススタイルの場合は中々該当しづらく、主にルートセールススタイルにおいて重要度が高い価値と言えます。
では先取り的価値が何なのかというと一言で言えばズバリ
来てほしい時に行くこと
です。
正確には「来てほしい」「この悩みを解決したい」「もっと●●したい」といった具合に大小問わずの何かしらのお困りごとや悩みを顧客が抱えた時にタイミングよく営業パーソンが伺うことを指します。
イメージ的にはサザエさんに登場する三河屋のサブちゃんです。
そろそろサザエさん家の醤油が切れるはず
マスオさんの誕生日だからちょっぴり良いお酒を
カツオ君の卒業式だから大好きなコーラをプレゼント
サザエさんを観なくなって長いこと経ちますが、サブちゃんはきっとこんな感じの提案をサザエさんにしているはずです。
先回り的価値とは、サブちゃんのように担当顧客が抱える悩みを尋ねずとも汲み取り、先取りして悩みを解決する提案を行うことです。
顧客の期待を推し量る
営業パーソン(サービス提供企業)側が顧客のニーズに対して提供すべき価値についてここまで書いてきました。
繰り返しになりますが上述したとおり、顧客は無意識的に3つの価値提供を営業パーソンに期待しているわけです。
※さらに言うと、適正コストでのニーズ解決価値を期待してます。
とはいえ、3つそれぞれの価値に対して全ての顧客が同じような期待を抱いているというわけではありません。
当然のことながら、顧客毎に期待する内容は異なります。
よって営業パーソンに求められるは顧客の期待を推し量ることです。
期待を推し量り、期待を大きく超えた提案を行い、想定コストを下回る価値を提供することで感動を創出することができます。
営業とは感動創出のための手段なのです。
顧客は・・・・
サービスに対する期待効果 × 営業に対する常識的期待
を抱えているので、これを営業活動にてコントロールするのです。
この掛け算において、他社を上回ることができれば受注・成約できるのです。
そして、期待を推し量ることにおいて最も重要な営業スキルがヒアリングです。
ヒアリングが重要である、と口酸っぱく指導されてきた営業パーソンは少なくないでしょう。それは全て顧客感動のためです。
ヒアリングせねば顧客がサービスに対して期待していることがわかりません。
また営業に対する期待も把握できません。
ではどのようにヒアリングをしていくべきか・・・・・・・・
については、長くなってきたので次回、書くこととしますね^^;