営業には量的PDCAと質的PDCAがある
PDCAという言葉を知らないビジネスマンはいないことでしょう。
会社に入った時に新人研修とかで教わった方が多いのではないですかね。
ところが、商売柄、様々な会社の営業部門にお邪魔して話を聞くと、自分の会社に合ったPDCAサイクルを確立している営業部門が驚くほどないのです。
正確には量的PDCAは多少回せているものの、質的PDCAを回すことに取り組んでいらっしゃらないのです。
唐突に「量的」「質的」という言葉を使ってしまいましたので、まずはそちらの解説からしていきます。
量的PDCAとは
そもそもPDCAというのは会社の目標を達成するためのアプローチ手法を指します。
営業部門で言えば、会社から「今年度売上●億」という目標を課せられ、これを
達成するためにPDCAを回していくことになります。
●億達成するために・・・
新規●億、既存●億
新規顧客獲得のために・・・
初回訪問●件
既存売上UPのために・・・
重点顧客訪問●件 などなど
このように売上目標を達成するために必要な活動量の目標を●件訪問と設定すること、いわゆるKPIが量的PDCAのPの部分です。
そしてこのKPIの達成状況を会議やミーティングで確認し、未達成状況の場合
には翌週、翌月どうするかを考える。これがCAの部分です。
この特定の訪問活動など営業プロセスの件数を目標設定し、検証するのが「量的PDCA」です。
量的PDCAに囚われ、質的PDCAが疎かに?
売上目標から必要な営業活動ボリュームを算出し、実行と検証を繰り返していくPDCAサイクルです。
量的PDCAが多数の会社に根付いているのは高度成長期の名残でしょう。
当時は活動量を確保すれば、売上が比例して売れていったからです。
しかし今や訪問量を増やしても売れません。
なので「質的PDCA」が重要になります。
質的PDCAとは
質的PDCAでは営業活動の内容にフォーカスします。
具体的には
新規顧客獲得のためのテレアポ率●%
初回訪問での成約率●%
といった具合に確率が目標数字となります。
たとえば、テレアポ率5%を目指していたが、1ヶ月実施してみたところ、1%だった。
その場合・・・
・スクリプトが悪かった
・テレアポのリストが悪かった
・テレアポする時間帯が悪かった
・話すスピードが遅かった などの原因があげられます。
この原因の対策に優先順位をつけ、改善を施し、テレアポ率5%を目指す
これが質的PDCAです。
質的PDCAを回していない企業では過去の成功体験に囚われていることが多く、現代のニーズ対応にアップデート出来ていません。
なぜ質的PDCAを回さないのかと言うと、量の改善の方が指示としては簡単だからです。質は営業マネージャー、中小企業であれば社長が営業担当者と一緒に知恵を絞ってあげなければ改善出来ません。
ですが、中小企業ゆえに忙しく、簡単な方法である量の改善を優先してしまうのです。
量的PDCAを回せている営業部門は質的PDCAを回す体制や環境の構築を考えてみては如何でしょうか?
まずはアポ率●%という可能性目標を設定してみましょう。