先月、とある展示会に出展した時のことです。
様々な事業分野の企業が出展していたので、当社のようなITを目的に来場される方は少なく、ヒマしていました^^;
ヒマを持て余すのが苦手な私は、スマホで本を読んでいたりしていたのですが、これもまたもったいないなーと思って・・・・
展示会でしか出来ないことをしよう
と考えたました。
で、何をしたかというと、
出展している企業に対して、営業部門に関するアンケート
を採りました。
営業の情報共有に関するアンケートを採ってみた
アンケート内容はこんな感じです。(一部抜粋)
・業種
・従業員規模
・営業マンの人数
・1日あたりの平均訪問件数
・商談1回あたりの時間
・営業報告書の種類(数)
・報告書の作成時間(週間)
・報告書のフォーマットの種類
最初はなかなか勇気がいりましたが、何件かやるうちに遠慮なくブースに突撃できるようになってましたw
1件あたり大体10~20分くらい。業種内訳は下記の通りです。
製造業:19社
流通系:1社(商社・問屋)
サービス:4社(ITソリューションメーカーなど含む)
その他:1社
合計30社からアンケートを取ることが出来ました。
ということで、今日はアンケート結果から集計したデータの一部共有します。
営業マンは1日どれくらい訪問するのか
業種別平均訪問件数/日 ※営業マン1人あたり
上図は、1日あたり営業マン1人が何件くらいの客先を訪問しているかを集計したものです。
業種別の平均では
製造業 ・・・ 2.32件
流通系 ・・・ 3.00件
サービス ・・ 2.22件
その他 ・・・ 5.00件
製造業って訪問数は少ないのかな~と思っていましたが、そんなことなく、他の業種と変わらず、むしろサービス系の企業より多く訪問していることが分かりました。
どんな目的で訪問しているのか訪問内容までは尋ねていないので何とも言えません。
ただ今回、アンケートに応じていただいた企業のほとんどがインサイドセールス、フィールドセールスで分けてはいませんでした。また製造業が多いことから、商談に臨む訪問だけでなく取引先に対する定期訪問も多そうです。※あくまで筆者の主観です。
営業マンは何時間くらい商談するのか
業種別1件当たりの商談に要する時間
今度は各業種でどれくらいの時間を商談1件に費やしているかをまとめたデータです。
製造業 ・・・ 69分
流通系 ・・・ 30分
サービス ・・ 56分
その他 ・・・ 60分
平均はこんな感じ。
請負の受注生産的な製造業が多かったので、やはり製造業の方が多くの時間を商談に費やしているようです。
とはいっても、皆さん2時間はかからず約1時間で1回あたりの商談をまとめているようです。
個人的には1時間ほどの商談であれば、電話やWEB会議で済ませてしまえばいいのでは?と思ってしまいます。(もちろん、商談フェーズによりますが)
訪問件数と同様に、こちらも商談目的別の商談時間を尋ねればよかった・・・と反省してます。
営業マンは何種類くらいの報告書を作成しているのか
営業マンの人数規模別の報告書数(報告書の種類の数)
営業部門の所帯の大きさ(=営業マンが多いかどうか)によって営業報告書の種類がどれほど増えるかを調べたかったのがこの図です。
所帯別の平均値はというと
~5名 ・・・ 2.0報告書
6~10名 ・・・ 2.5報告書
11~30名・・・ 2.0報告書
31名 ・・・ 3.0報告書
全体平均 ・・・2.2報告書
営業マンの人数が増えていけば、自ずと報告書の種類が増えるのでは?という仮説を持っていましたが、おおむねその通りとなりました。
同時に「営業マンの人数が増えていけば、システム化を図って逆に報告書の種類が減るかも」という想定もしていましたが、まだまだ営業部門ではITを活用したスマートな情報共有体制を敷いている企業は(データを見る限り)少ないようです。
営業マンは報告書の作成にどれくらいの時間をかけているのか
営業マンの人数規模別の報告書作成時間/週間
営業マンの人数規模に応じて報告書作成時間はどのように変わるのかを示した図です。
こちらの平均値はというと
~5名 ・・・ 1.4時間
6~10名 ・・・ 2.75時間
11~30名・・・ 5.6時間
31名 ・・・ 3.0時間
全体平均 ・・・2.33時間
全体平均(1日あたり):約27.6分
やはり所帯が小さいと、お互いの活動をface to faceで把握できているからか、報告書作成に段違いで時間がかかっていません。
6名~の企業に限定して報告作成の時間を算出してみると、3.46時間。
1日平均 42分となります。
営業マンが6名以上になると、営業活動を把握するための時間がそれなりにかかってしまうことをデータが示しています。
営業マンの活動内容をデータとして活用しているか
営業人数規模別の報告書形式
上図は営業マンの人数によってどんな報告書手段で情報共有しているかをまとめた図です。
報告書をExcelや紙ではなく、SFA(営業支援システム)や自社開発システムにしている割合は
~5名 ・・・ 29.41%
6~10名 ・・・ 25.00%
11~30名・・・ 33.33%
31名~ ・・・ 100%
全体 ・・・ 33.33%
※解説:~5名を例にとると、29.41%の会社はクラウドや自社開発システムに
て、営業の報告書をデータ化していることを意味しています。
人数規模が増えるに応じて情報共有の仕方を工夫するであろう、と予想していたのですが、おおむねその通りになったと言えます。
(ただ、31名~の母数が1社のため、データがもう少し必要とも言えます。)
ただ、全体平均で見ると33%しか営業情報がデータベース化されていません。
裏を返すと、67%はその時だけの一過性の情報共有スタイルだということです。
まとめ(データを見て思ったこと)
今回はフィールドセールスに絞ったアンケート内容になりましたが、アンケートを採っていた時に何社かに尋ねた反応を見ると、まだまだインサイド・フィールドセールスのような分業を行っている中小企業は少ない、というか皆無でした。
よって日本の、それも特に製造業における営業部門の現状がデータに出ていると言えるでしょう。
(30社という少ない母数で結論づけられるわけではないことを踏まえたうえで)
データを見て、感じたことは・・・
・意外と訪問(リアル)数が多かった
・一方で商談時間は短かった
・なんだかんだ1日27分も報告書作成に時間をかけてる
・27分もかけているのにデータベース(情報資産)化していない企業が67%もある
という点です。
少し古いデータですがリスクモンスター社が発表した資料によると国内の全ての企業のうち、年商30億以上の企業が約32%でした。
つまり30億未満が68%。
この数字が「営業情報をデータベース化していない企業の割合:67%」とリンクしているわけでは、全くありませんが、因果関係がゼロでもないのかな~と思いました。
営業データがあれば、営業戦略が正しく実行されているのか。
正しく実行されている場合、想定していた成果(売上)に繋がっているのか。
繋がっていない場合は戦略を見直す必要があります。
正しく実行されていない場合、実行できない・されない理由を調査しなければなりません。
データがないと、このような仮説検証を行うことがそもそも出来ません。
というようなことがチリツモ(塵も積もれば山となる)で、売上や利益の拡大に影響しているのかな~とボンヤリ思いました。
また上でちょこっと触れましたが、インサイドやフィールドセールスといった分業体制を敷くといった、少しでも効率や営業専門性を高める取り組みを行うことなども必要なのかなとも。
要するに過去の既存の慣習的なやり方に固執せず、顧客そして自分たちにとって、より良い営業環境を構築することを取り組むべきというのが今日のところの結論です。