マーケティング

エリア制の営業チームが考えるべきエリア営業戦略とは

今日は、営業パーソンのための営業戦略策定のような内容です。

通常、戦略っていうと社長とか営業責任者とか、少なくとも営業マネージャーといったマネジメントする立場の人が検討すべきものです。

目標を達成するためのシナリオ

超ザックリ言えばこれこそが戦略です。

このように目標達成という観点で考えると営業パーソン自身にも戦略を練ったり、修正する力が求められますよね。

というか知らず知らず営業パーソンであれば誰しもが戦略策定や検証を実践しているのです。

で、前置きが長くなりましたが営業パーソン自身の戦略策定、もちろんマネージャーであってもとっっっっても役立つのが今回紹介する「ランチェスター戦略」です。

ランチェスター戦略はもともとはランチェスターさんという方が編み出した戦争における戦闘の法則のことです。

これが戦後、いや現代においては経営、営業戦略に応用されていて、多くのコンサルタントが用いている、という訳です。

ランチェスター戦略についてはメチャクチャ沢山の本が出ていますが、その中でも元祖ランチェスター経営の提唱者と言われる竹田陽一さんの本をもとに今日は営業パーソンにとってのランチェスター戦略を解説していきます。

ランチェスター戦略とは

まずそもそものランチェスターの法則について解説しますと、冒頭述べた通り、ランチェスターの法則は戦争のための戦いの法則です。

ランチェスターには2つの法則があり、

第一法則は剣や槍といった射程距離の短い武器での戦いにおける法則で、第二法則はその反対に銃やマシンガンなど射程距離の長い武器を用いた戦いでの法則のことです。

詳しい理由は割愛しますが

第一法則では攻撃力=兵力数×武器性能
第二法則では攻撃力=兵力数の二乗×武器性能

このように法則別に攻撃力の算出が異なると言われてます。

たとえば味方の戦力は100、武器は竹槍だとします。一方、敵の戦力は200で、武器は同じく竹槍。

この場合、射程距離の短い武器同士の戦いということで第一法則が当てはまります。
第一法則ではお互いの攻撃力は兵力と武器性能の掛け算になるので

100TY(竹槍の略)と200TYのバトルとなり、結果はその引き算で100TY、つまり敵が100の戦力を残して勝つことになります。

射程距離が短いと、一騎打ちかつ接近戦の局面を多くなります。
すると敵味方のダメージというか損害は1対1、同数になりますよね。
※キングダムの王騎将軍や龐煖のような超強力な個の武力は無しとすると・・・です。

なのでこのケースで言うと敵が100の兵力を残すことになるわけです。

一方射程距離が長い場合は遠距離から少ない相手を集中攻撃できます。
集中攻撃できることから攻撃力は兵力数の二乗となります。

たとえば味方は100の戦力でマシンガン、敵が200の戦力でマシンガンという状況で対峙した場合は第二法則が適用されます。

そして味方は100の二乗で10,000敵は200の二乗で40,000というそれぞれ攻撃力になります。

そして40,000ー10,000=30,000
30,000の平方根で173という数字が残ります。173というのはこれは、味方を全滅させられた時、敵は173人の兵力が残るという意味(計算)になります。

竹槍ならば100人の敵戦力を削ることが出来たものの、武器がマシンガンに変わると27人しか減らせません。ボロ負けです。

このように自分たちの武器の射程距離を考慮して戦うこと、かつ兵力数が少ない場合は出来る限り第一法則を適用できる場面を作らねば戦いには勝てないということです。

裏を返せば、このランチェスター戦略を我々の営業戦略に応用することで競合他社に対して優位に局面で営業活動を行うことができるということなのです。

具体的には仮に皆さんの会社が中小企業だったとして、営業人員や広告予算といった営業戦力が乏しい場合は、こちらの第一法則で戦えるよう場面を選んでいかなければなりません

この中小企業が第一法則で勝つための手立てを続いて解説してまいります。

弱者のためのランチェスター戦略

まず本書では中小企業というか、営業戦力が乏しい企業のことを

劣勢企業(=弱者)

という言い方をしてます。

まあ呼び方は何でもいいのですが、今日は弱者で統一します。

で、弱者が採るべき戦略について、結論から話すとこの2つになります。

1.一騎打ちで勝ちやすい商品を選ぶこと
2.接近戦や一騎討ちになりやすい営業方法を選ぶこと

この2つを選んでおけばランチェスターでいう第一の法則にのっとることができます。
狙って、意図的に第一の法則の土俵で戦うことで、大企業など強者から第二法則の戦力の2乗となる攻撃を避けることが出来るのです。

これぞランチェスター戦略の狙う弱者の戦略なのです。

ランチェスター戦略を営業戦略に置き換えると

ではより具体的な話をしてまいります。

ランチェスター的営業戦略を、一言で大雑把にまとめさせてもらうなら

「どこで誰にどうやって売るのか」

これを考えることに尽きます。

どこでというのはエリア、そして誰に、は客層のことです。
どうやっては売り方です。

コロナ禍以降、オンライン商談が急速に普及しましたので「営業戦略におけるエリア戦略なんて時代錯誤」という意見の方もいらっしゃるかもしれませんが、オオカワ的にはそんなことありません。

オンラインと地上戦どちらが有効かは後ほど少しだけ振れます。
ここではその前に、エリアを絞って営業活動するエリア戦略の効果について紹介すると、本書では

エリア内シェアを高めることができ、競合他社が(そのエリアを諦めて)逃げ出すこと

これを効果として挙げています。

競合他社が逃げ出すっていうのは極端な話かもしれませんが、エリア内シェアが競合他社にとって低くなればそのエリアで重点的な活動は行わなくなるはずです。
そうなれば皆さんにとってコントロールのきくエリアになっていきます。

エリア内シェア率を高めるとこのように競合の営業力を低下させる効能があります。
競合の競争力が低下し続ければ極端な話、そのうちエリア内シェアNo.1になることができます。これぞエリア戦略の最終目的です。

さらにさらにシェアNo.1を謳うようになると、より新規顧客開拓が加速していきます。

このように

エリアを絞る→(効率UPによる)営業活動量の増加→
顧客が増える→エリア内のシェアUP→
競合他社の撤退など競争力ダウン→シェアNo.1になる→
口コミや実績により顧客が加速度的増加→他エリアへ横展開

エリア戦略で限定したエリアを制することでだけでこのような営業展開を望むことが出来るのです。

エリア戦略の副次的効果

また「どうやって売るのか」という面についてもエリア戦略が活きてきます。

というのも、エリアを絞ることで

・他社に比べてフットワークかるくアフターフォローできます
・あの会社や近所の●●さんも使っているという確かな実績による安心感

といったように

商品以外の営業付加価値

を作ることができます。

営業における商品力以外の付加価値って、普通は提案力くらいです。
けどランチェスター戦略を営業に取り込むことで、営業パーソン自身の力で付加価値を創ることが出来るのです。

営業トークを考えるとかプレゼン力を磨くことも大切ですが、ランチェスターのエリア戦略によって生まれる付加価値の方が顧客にとってはよっぽど魅力的に映るはずです。

また、ちょっと話は逸れますが
「エリア内の顧客が増えることで商工会や法人会、個人なら口コミによる紹介が増えて商談機会が増える」
エリア戦略によってこんな風に商談機会の創出も期待できます。

つまりエリア戦略は

営業機会を作りやすくするというマーケティング面
受注しやすくなるというセールス面

中小企業の営業パーソンにとって必要不可欠なこの二つのプロセスというか業務レベルを押し上げてくれる素晴らしい戦略なのです。

エリア戦略の成果をwebマーケティングに応用

ここまで聴いてくださった方の中に

「ランチェスターのエリア戦略が何となく良さそうな気はしてきたが、ちょっと待てよ・・・
オオカワ、今はネット社会だぞ。webの世界ではエリアなんて関係ないじゃん」

という反論が聞こえてきそうですので、補足説明しておきます。

もちろんweb世界になって営業としての戦い方は以前と間違いなく変わってきました。
が、エリア戦略による効果は未だ高いというのが僕の考えです。

というのも、仮にエリア内のシェアをNo.1を取れたとしましょう。
そうしたらwebでもエリア内シェアNo.1を謳うことができます。
Youtube、Twitter、ブログでシェアNo.1を謳って情報を発信していけば、web上からも顧客を獲得していくことが可能になっていきます。

このようにエリア戦略という地上戦を制することが、webという空中戦にも応用できるのです。

エリア営業の戦略 まとめ

さて、今回は竹田陽一さんの小さな会社儲けのルールという本の中に書かれているランチェスター戦略をもとに、営業パーソンが取り組むべきエリア戦略について解説しました。

エリア戦略はあらゆる営業において効果が見込めます。
まずは東京の中央区入船でNo.1とか、大阪市淀川区三国でシェアトップなどエリアをとても小さく区切って試してみては如何でしょうか!?

達成することが難しくない割には大きな効果が期待できるかもしれませんよ。

No.1という実績を採ることをまずは目指しましょう。

ABOUT ME
大川 直哉
株式会社エクレアラボ 営業担当 営業支援システム(SFA)メーカーを2社経て、エクレアラボの創業に参画。10年以上のSFA提案や導入の中で300社以上の営業現場に関与。 得意ジャンルは営業手法やマーケティングの失敗談。 「失敗の仕方をレクチャーしたら、クライアントはその方法だけは絶対にやらないようになるから少しは成功確率が上がる」と考えているから。 小さい頃は父親の経営していた会社に入ろうと考えていたが、自身が大学生の時、親の会社が倒産し、世の中は決してぬるくなく、思い通りにいかないことを痛感。それにもかかわらず未だに甘ったれでボンボン気質が抜けないというのが周囲の評価。 趣味はJリーグ観戦。