展示会営業コンサルタントに見込客作りの極意を聞いてみた

展示会営業コンサルタントの清永健一先生にインタビュー

今回は株式会社ピュア・コンサルティングの代表取締役 清永健一さんに展示会を活用して新規顧客を開拓する営業手法について教えていただきました。展示会に出展している方は必見です。

会社概要

会社名 株式会社ピュア・コンサルティング
所在地 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-4-7 イマス浜田ビル5F
WEB http://www.pure-consul.com/

 

清永健一 先生 プロフィール

展示会営業®コンサルタント 中小企業診断士。
神戸大学経営学部卒。
株式会社ピュア・コンサルティング代表取締役。
「飛び込みなしで新規顧客がドンドン押し寄せる展示会営業術」の著者として、展示会に出る企業に出展コストの33倍売るノウハウを伝える日本唯一の展示会営業コンサルタント。
先生業の顧客獲得で300件超の実績を有する志師塾の統括講師も務めている。
1974年生まれ、奈良生まれ、東京在住。

WEBが王道の時代になぜ展示会!?

OKAWA
WEB上から見込客を集客することが主なマーケティング手法として確立されている現代において、なぜ展示会にフォーカスされたのでしょうか?
清永先生
WEBでは情報が溢れてしまい、必要以上の情報を見込客に与えてしまいます。「ひとつのことを総合的に伝えられる」という展示会の特徴こそ、中小企業が展示会を活用すべき最大の理由です。

大川さんの仰る通り、インターネットインフラが整備された今日においてWEBからの集客はどの企業にとっても課題でしょう。

ただWEB戦略は単価争いのリスティング広告、人的リソース勝負のSEO対策など潤沢な予算を抱えている、そしてWEB専門部署を設置可能な大企業に向いていると私は考えています。

では中小企業が見込客を集客するにはどうすればいいのか?と長年考えていた私が辿り着いた先が展示会でした。

展示会では・・・・
・特定のテーマに対して興味を持った見込客が時間と労力を割いて来場する
・見込客はライバル会社の商品・サービスを含めて一度に比較できる
・商品・サービスを実際に見て、触れることができる などなど
といった具合に見込客にとってメリットがあり、また出展企業にとっては自社の商品に関心の高い人たちに多く接触できる機会となります。

展示会メリット
来場者(見込客) ・関心のある商品について、各社の情報を一斉に集めることができる
・商品を実際に触れたり、見ることが出来る
出展企業 ・自社の商品に興味を持つ可能性が高いであろう多くの顧客と接触できる

 

広告予算に限りがある中小企業が新規顧客を獲得したい場合、展示会はピッタリの営業施策であると自信を持ってオススメします。

名刺交換をゴールにせず、受注増をゴールとするために

OKAWA
展示会メリットがとてもよく分かりました。
しかし展示会に出展すると名刺を獲得することがゴールになり、数ヶ月後に「名刺は●●枚も獲得できたのだが、まったく受注にはならなかったな・・・」という話を耳にすることが少なくありません。それは何故なのでしょうか?
清永先生
それは、漠然と「出展し、名刺交換すれば受注できるだろう」と考えていることが原因ですね。目標設定と出展コンセプトを事前に明確にしておかなければなりません。

この対談をご覧の皆さんの中で展示会出展をご検討されている方がいらっしゃったとしたら、質問です。

「あなたの会社が展示化に出る目的は何ですか?」

「その目的を達成するために、目標を設定していますか?」

この2つの質問に迷わず即答できないようであれば、展示会を活用して売上アップを実現することが難しいかもしれません。

目標設定とは、下図のような名刺獲得を●枚、名刺交換した中からアポを●社、そして商談した中から案件化(見込化)が●社、最後に受注目標が●社といったぐあいに受注プロセスの各フェーズに数値目標を設けることです。

展示会に出展している企業において、この数値目標の設定は最近になってようやく根付いてきたと感じています。大体の企業の営業部門で「名刺交換の目標は●件です」と回答をもらえます。

しかし、この数値目標が社長や営業責任者が勝手に決めた目標であることがまだまだ多く見受けられます

上司に定められた名刺交換のノルマ達成のために仕方なくイヤイヤ名刺獲得の声掛けをしている・・・といった態度や空気感を醸し出し、無機質的な対応をする営業マンを一度は展示会で見かけたことがあるのではないでしょうか。

では数値目標を設定して、顧客対応する営業マンとどのようにして目標を共有すればいいのかというと・・・・・

ゲーム化

です。

子供の頃を思い出してください。時間や他にやるべきことを忘れて、ゲームに夢中になったことが誰しも1度はあったはずです。

展示会での名刺交換数をゲーム化することで、社員はイキイキと互いに盛り上がりながら楽しく名刺獲得に臨むようになります。
※ゲーム化のコツについて清永先生から伺ったのですが、本ページに収まりそうにないので清永先生の「飛び込みなしで「新規顧客」がドンドン押し寄せる「展示会営業」術」をご覧ください。

真の目標設定についてはご理解いただけましたでしょうか?
次に出展コンセプトです。

展示会場には何十、何百という出展社が集っています。お客様からすると巨大なショッピングモールのようで、どのお店に入れば自分に合ったものがあるのかを選ぶことさえ難しい環境なのです。

ショッピングモールをイメージすると分かりやすいかと思いますが、「なんでも用意しています!」よりも「うちのお店はこういう人にピッタリです!」という専門的だったり、具体的で特長のあるお店の方に目を惹かれるはずです。

展示会でも専門的・具体的がポイントになります。中小企業であればなおのこと重要です。

では専門的・具体的にするためにどうすればいいのかというと・・・

ワンブース=ワンアイテム=ワンターゲット

にするべきです。

このワンブース=ワンアイテム=ワンターゲットにもとづく考え方を私は「出展コンセプト」と名付けています。

出展コンセプトをハッキリしていないと、ブースの準備が始められません。顧客対応する営業マンがどのように来場者に声をかけるべきか共通認識を作れません。
多くの出展企業は出展コンセプトがハッキリしないまま、名刺交換枚数目標のみだけを設定しているため、「名刺交換は出来たけど受注に繋がりそうにない・・・」という成果が上がらない結果になってしまっています。

OKAWA
出展コンセプトとは具体的には何を決めればいいのでしょうか?
清永先生
「誰に」「何の結果(効果・成果)を」「どのように」提示するかを社長だけでなく、社員を巻き込んで決めましょう。

出展コンセプトとは
誰に ・・・ターゲットの属性(規模や立場、業種、職種など)
何の結果(効果を) ・・・商品を通じてターゲットが享受できる効果や利益
どのように ・・・言葉、パラペット、チラシなど媒体と場
を指します。

コンセプトが具体的になれば、名刺獲得のために何を準備すればいいかが見えてくるはずです。

見込客を呼び寄せる展示会準備のポイント

OKAWA
出展にあたって具体的には何を準備すればいいのでしょうか?
清永先生
ブース装飾や見込客との接し方、交換した名刺へのアプローチ方法など、見込客の導線に合わせて個別面談までの営業設計を行いましょう。

出展コンセプトが固まれば、あとは、一つ一つ細かいことを積み重ねていけば、やった分だけ成果に近づいていきます。
実際に展示会に出展すると、ブース装飾の仕方、ブースでの立ち方、お客さんとの接し方、照明の加減、お礼メールの書き方、フォロー電話のタイミング、などなど言いだすとキリがないくらい、細かいことがあるわけです。

たとえばブース装飾。

展示ブースの上部に看板がありますが、これはパラペットと言います。
パラペットで興味を惹けるかどうかが展示会の成功が懸かっていると言っても過言ではありません。

なぜなら来場者である見込客がブースを見た時、最初にどこを目にするかというとこのパラペットなのです。

しかし、皆さんも展示会を訪れた時に目にしたことがあるはずですが、このパラペットに会社名が書いてあることが多く見受けられます。

残念ながら中小企業の会社名だけでは、何のブースなのか、そのブースで何を得られるのか、さっぱりわかりません。

パラペットには売り文句を掲載するべきです。

といった具合にブース装飾の1つであるパラペットだけでも工夫が必要で、ブースでの立ち方や接客の仕方にも同様に、いやそれ以上の工夫が必要です。

このあたりについては拙著「飛び込みなしで「新規顧客」がドンドン押し寄せる「展示会営業」術」に詳しく書いてあります。

OKAWA
確かにパラペットには会社名が書かれていることが多いですね。
展示会後の御礼メールの文面もたいていどの会社も似通っている気がします。
清永先生
そうなのです。出展することがゴールになってしまうと、受注のための工夫がありません。
また出展コンセプトが不明確なので、ターゲット(見込客)に対して何を伝えればいいのかが明確になっていない出展社が多いのが実情ですね。

中小企業が出展すべきオススメの展示会

OKAWA
私は清永さんの本を読んで、展示会に出展したくなりました(笑)
ただ弊社は展示会に出展したことがありません。初心者にオススメの展示会はありますか?
清永先生
池袋サンシャインで開催されている展示会がオススメですね。

テーマ別の展示会になると、ある程度大規模な展示会になります。
関東だと、東京ビッグサイト、東京国際フォーラム、パシフィコ横浜、大阪だとインテックス大阪などが主な会場です。

いきなり大規模なところだと不安がある、初めての出展だからまずは腕試しで・・・といった場合であれば、東京の池袋サンシャインで行われている展示会がおすすめです。出展費用もそれほど高くはなく、テーマ別の展示会になっています。サンシャインに出展し、手ごたえを掴んだ後に、ビッグサイトなどの大型展示会に出展してみてもいいでしょう。

まだまだある展示会のメリット

OKAWA
これほどまでの営業機会を展示会で作れるとは思っていませんでした。
貴重なお話をありがとうございました。
最後に営業機会以外に展示会出展のメリットがあれば教えていただけますでしょうか?
清永先生
展示会という非日常空間が閃きを生む点です。

展示会は来場者にとってだけでなく、出展社(者)にとっても非日常空間であると思っています。
来場者は主に情報収集を目的として展示会に訪れるものですが、
「自分の知らない技術がこの目で見れる!」
「業界の最新商品、最新情報をいっせいにチェックできる!」
といったようにワクワクした気持ちで来ていることが多いはずです。

一方で出展社にとっても日々の営業活動とは違うはずです。
他社よりも目立って自社のブースにより多くの見込客を誘導しなければならないなど通常の営業とは異なった手法が求められます。

それゆえに日々の通常業務の中では思いつかなかった商品PRの仕方や自社の良さ・強みを見直する機会になり、社内の一体感を醸成するキッカケになることが多くあります。

また商品やサービスを通じて、何をやりたいか、どういう未来を目指していく会社なのか。また、その会社で自分自身はどう仕事をしていくのか、といったことを深く考える機会になることも展示会出展のメリットと言えます。

清永さん、ありがとうございました!

今回、インタビューで伺った展示会で顧客を獲得するためのポイントがぎっしり詰まった清永さんの著書「飛び込みなしで新規顧客がドンドン押し寄せる展示会営業術」は全国書店で絶賛販売中です。

また清永さんは、ご自身のセミナーにて展示会を活用した顧客獲得のコツがより具体的に分かりやすく説明されています。

著書、セミナーともにオススメです。新規顧客獲得でお悩みの方は是非お申込みください!

アフターインタビュー~上司・部下時代の思い出~

清永さんと大川の関係

清永さんと私(大川)、実は以前同じ会社に勤めていて、清永さんは私の直属の上司でした。
社会人2~5年目の営業マンだった期間に鍛えてもらったことはとてもとても良い思い出であり、私の営業論、営業に対する姿勢の礎を築いていただきました。今でも師匠と仰いでいます。

OKAWA
本を読んだりして学びとなったことを手帳にメモっているのですが、この前、久しぶりに読み返したら清永さん語録というページが10数ページにわたってありました(笑)
この中に
営業の役割はお客さんが考えている目標を超える新たな目標を作ってあげること、つまりお客さん自身で気づいていないことを気づかせてあげることである。営業テクニックでこれを『ズラす』と言う」とありました。当時(2008年頃)から良い事、仰ってますね(笑)
清永先生
おい、かつての上司に対して失礼やぞ(笑)
当時から今もなお営業マン、営業、マネジメントとはどうあるべきかをずっと考え続けているのは変わらんな~。
『ズラす』を使いこなせている、いや正しくは身につけている営業マンはまだまだ少ないと思ってる。商品の特長を説明し、見込客に決断を迫ることを最短(短期間)で行うことが正しい営業マン像とされている風潮のせいだろう。ズラせれば結果として商品やサービスが売れるんやけど。。。
OKAWA
ズラす技術を身につけることはとても苦労しました。むしろ今でも会得できたとは言い難いです。。。当時、顧客に訪問する前日くらいに、清永さんに1時間くらいミーティングやロールプレイングしてもらってようやく客先でちょっとズラせるくらいでした。
清永先生
『ズラす』ことってつまりは・・・
【自分の都合で売る】 < 【顧客の成果を一緒に考える】
この比重の問題なんだと思う。
営業マンは予算や目標、ノルマが課されているから【売る】ことが優先されてしまって、顧客のことを懸命に考えることがおざなりになってしまうことが多い。
顧客のことを考え抜き、顧客自身以上に顧客のことを知り、悩み、解決策を考えれば商品は買ってくれるものなんや。
OKAWA
その教えは多分、一生忘れることはなく、今も実践できていると思います。
ただ1つだけ悩みがあります。
顧客のことを真剣に考えると、時として自分の会社の商品が最適解ではないという結論に至る時があります。
この時、営業マンとしてはどのような提案を顧客に対してすべきなのでしょうか?
清永先生
出た、良い人アピール!!(笑)
けど大川はホンマそれが変わらず弱点なんやな~。
何度も言っているが、顧客、そして大川自身にとって他社が最適かどうかは分からない。結局、商品やサービスって良いか悪いかは買ってからでないと分からない。であれば自分(大川)の持つ解決策がベストだと信じて、提案することが大切。他社に勤めているわけではないのにその会社のサービスがベストとは言い切れんやろ?
OKAWA
確かに・・・・。なんとなく隣(他社)の芝生は青く見えてしまって勧めてしまうことはありますね。
清永先生
顧客にとっては【大川+商品=欲しいモノ】であることに自信を持つべきだな。
低額商品ならば商品=欲しいモノなんだろうが、BtoBビジネスにおいては決してそうはならない。提案してくれる人込みで商品だと思うねん。
OKAWA
とても勉強になります。今回のアドバイスもですが、貴重なインタビューをありがとうございました!
清永先生
おう、ありがとな!

編集後記

営業に関してマインド、スキル面で清永さんほど具体的な指導が出来る人にこれまで会ったことがありませんでしたが、改めてその能力をアフターインタビューで痛感しました。
出会った当初に「鞄が常にパンパンだな。やっぱり売れる営業マンは資料を完璧に用意するのか。。。いや、違うぞ。ジャンプとマガジンが入ってるからパンパンなだけじゃん!」と思っていたことは未だ内緒です(笑)

展示会で新規顧客を獲得する方法はもちろん、マーケティング、セールスで何かお困りな事を抱える中小企業の経営者の方は清永さんにご相談されることを強くオススメします。

ABOUTこの記事をかいた人

大川 直哉

株式会社エクレアラボ 営業担当 営業支援システム(SFA)メーカーを2社経て、エクレアラボの創業に参画。 システム販売だけでなく、ご依頼があればコンサルティングや研修講師を務めることも。 得意ジャンルは営業やマーケティングの失敗談。 「失敗の仕方をレクチャーしたら、クライアントはその方法だけは絶対にやらないようになるから少しは成功確率が上がる」と考えている。 学生時代は親の会社に入ろうと考えていたので、甘ったれな根性が染みついている。自身が大学生時代に親の会社が倒産し、世の中は決してぬるくなく、思い通りにいかないことを痛感。にもかかわらず甘ったれでボンボン気質が抜けないというのが周囲の評価。 趣味はJリーグ観戦。